読んでいて何か気持ち悪さを感じていたのだけれど、理由がわかった気がしたので書いてみる。
この本では、地頭力を鍛えるには フェルミ推定 が良い訓練になると書いていたのだけれど、下手すると、「よーし、これから地頭力鍛えるぞ!フェルミ推定でもやるか!」
ってなりそうなのが気持ち悪かったのだ。上記のような発言は、あまりに不自然だ。
■なぜ不自然か?
フェルミ推定は本来、地頭力を鍛えるためにあるのではない。
何のためにあるのか?
それは もちろん問題を解決するためにあるのだ。問題があって初めてフェルミ推定をするのだ。なので、いきなり「フェルミ推定でもやるか!」はありえない。しかし、この本ではフェルミ推定のことばかりが強調されて、問題設定の部分にあまり触れられていない。そこに気持ち悪さを感じた。
■問題を設定できるようになるためには何が必要なのか?
割と そのままの回答で申し訳ないけれど、それは問題発見能力だと思う。問題発見能力とは言い換えると世の中を観察する力である。世の中には解決されてない問題が山のようにある。しかし、日常生活を営む上で それらは視界から除外されている。いちいち疑問に思っていたら、日常生活が成り立たないので、大人になるに従って 問題を視界から除外することを覚えたのだ。
問題発見能力とは、これらの除外された問題を再度、自分の視界に入れることだ。問題を視界から除外することに慣れてしまっているだけに これは難しい。
■問題設定能力を高めるのにはどうすれば良いか?
常日頃から、常識にとらわれず問題意識を持って過ごすこと。常に世の中を観察し続けること。以上により鍛えられるのではないかと思う。
■常に世の中を観察し続けるには?
知的好奇心を高く維持することだと思う。知的好奇心があれば、分からないことを求めて世の中を観察しようとするだろう。
■一番大事なのは知的好奇心だ!
知的好奇心があれば、世の中を観察する。
世の中を観察すると疑問が湧く。
知的好奇心が高いので湧いた疑問は解きたい。
しかし、多くの疑問は解くのに十分な材料が揃わない。
そうすると、もはやフェルミ推定で求めるしかない。
というわけで、知的好奇心があれば自然とフェルミ推定にまでたどり着く。
いきなりフェルミ推定をやろうというのは順番が間違っていると思う。
■なぜ、知的好奇心に関して割いてるページ数が少ないか?
著者も知的好奇心の重要性は認識している。本書でも それっぽいことが書いてある。しかし、知的好奇心に関して割いてるページ数は非常に少ない。対して、フェルミ推定に関しては、多くのページを割いている。これは、知的好奇心が主題になってしまうと、多くの自己啓発書との差別化が しにくくなるからではないだろうか?フェルミ推定を大きく取り上げることによって他のビジネス書との差別化を図ることができる。著者がその重要性を認識しているのに、知的好奇心についてのページ数が少ないのは、そういったマーケティング的な意味合いのではないかと思った。
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