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したっぱプログラマーの日記(The diary of a minor programmer)

2008/01/01(火) 餅はなぜ固くなる?

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あけましておめでとうございます。

さて元旦、餅を食べていたら父親が、独り言のように
「何で餅は冷めると固くなるんでしょう?」
と言い出した。

「冷めるとデンプンが固まるからじゃない?」
と言ったものの、
「それじゃ説得力に欠けるなぁ。」
と突っぱねられた。

僕「じゃー、どうしてなの?」
父「わからないから聞いたんでしょうに。」
僕「…」

ということで調べてみた。

しかし、ネットで調べてみても、いまいち納得できる答えが見つからない。
要は、餅内のデンプンと水分の関係によるものだと思うのだけれど、その辺をしっかり説明したものをネット上では見つけられなかった。

デンプンには、アミロースとアミロペクチンというものがあって、アミロースは直鎖状、アミロペクチンは樹状な形をしているらしい。
餅米には、うるち米より多くのアミロペクチンが含まれており、その差が粘りけがあるかないかの差らしい。
樹状な形をしていた方が粘りけがあるというのは、直感的に理解できる。

しかし、アミロペクチンと、餅内の水分と、熱の関係性が見えない。
加熱すると餅内の水分が気化するため、餅は膨らむのだが、それとアミロペクチンは関係ない。

なんとなく思うのは、加熱するとアミロペクチンの伸びた枝が、ゆるゆる〜ってなって動きやすくなるのかなぁってことぐらい。
加熱するってことは、分子の運動エネルギーが増えるってことだろうから、がんじがらめになった枝たちが動き出しそうじゃない?

しかし、水分を完璧に抜いた餅っていうのは、暖めても柔らかくならないらしいんだけど、上記の説明だと、水分との関係性が説明できていないなぁ。

ん?
あれかなぁ。冷えた餅の状態の時は、アミロペクチンの枝が絡まり合って固まっている状態なんだけど、間にクッションとして水分子が入ってるんかなぁ。だから、熱エネルギーを加えられれば、まあ、動けんこともない。
イメージとしては、ダンボールに皿を詰めて、皿と皿の間に柔らかい緩衝材を詰めた感じ?

しかし、水分がないと、間のクッションというか動ける余裕みたいなのが全然なくて、動こうにも動けない?
イメージとしては、ダンボールに皿だけをぎっしり詰めた感じ?

という仮説を立ててみたのですが、だれか、本当のところを知っている方がいたら教えてくださいm(_ _)m

1: とも 2008年01月04日(金) 深夜0時30分

いわゆる、でんぷんのβ化により固くなるんでしょうね。

α化して、でんぷん分子間に水分子をとりこみ、水素結合を介したゆるやかな結合になったものが、
冷却すると水分子を失うことで、結合が強くなり(再度結晶化し)、固くなる、。

といった感じだと思うよ。

まぁ、わけんのことだから、これくらいでは納得しないと思うけど☆

2: NO村 2008年01月05日(土) 午後5時26分

明けましておめでとうございます。

わけんさんの推測で合っていますよ!

まず、デンプンにはともさんも仰っているように、α、βデンプンがあります。
(アミロース、アミロペクチンはデンプンの種類で、デンプンの状態を表すものではないですが、α、βはデンプンの状態を表します)

植物は、光合成の産物としてデンプンを作りますが、硬く密度の高い、βデンプンで体内に貯蔵することになります。この方が腐りにくい上、貯蔵効率がよいからです。

火を通す前の米、芋などがおいしくないのはこのためです。

βデンプンはだいたい60度くらいに熱せられると熱運動でデンプン同士の結合がゆるみ、そこに水分子が入り込むようになります。
さらに熱をかけるとβデンプンの硬い集合体はどんどんゆるんで、その回りを水が取り囲み、デンプン分子の不規則なゆるい集まりとなります。これをαデンプンといいます。

水分の無いモチが柔らかくならないのは、水分子が無いためにβ化が起こらないためです。
モチも米も硬いですが、モチに熱を加えると米に比べて非常に大きい流動性を持ちます。ここにアミロース、アミロペクチンの性質の違いが関係しています。



ちなみに、和菓子の甘いおモチは冷たくても硬くならないですよね?
あれは、デンプンより小さい分子の糖がデンプンの間に入り込んでいて、しかも糖は水分子を非常に保持しやすいので、結果、温度にかかわらずαデンプンに近い状態を保つためです。

3: NO村 2008年01月05日(土) 午後5時42分

>水分の無いモチが柔らかくならないのは、水分子が無いためにβ化が起こらないためです。
α化がおこらないの間違えです。


β化も熱運動の低下でデンプンの間から水分子が出てきてしまうためだと思います。

4: わけん 2008年01月06日(日) 午後1時26分

ともさん、NO村さん、丁寧な説明ありがとうございます。

デンプンは、水分がある状態で熱を加えるとα化して、柔らかくなるんですね。
だいぶ納得できました!

これで父に伝えることができます。
ありがとうございました!

5: Ackey 2008年01月07日(月) 深夜1時15分

ちなみに、一端α化したデンプンが水分がある状態で温度が下がりβ化することを「老化」と表現します。
温度が下がっても、水分がなければ老化しません。α化したデンプンの水分を飛ばしたものか、おせんべいやおかきです。

6: わけん 2008年01月10日(木) 午後7時33分

ほうほう。
老化すると、どんな感じになるんすか?
それにしても、みなさんの知識にびっくり。なぜに、そんなにでんぷんに詳しいのか。

7: Ackey 2008年01月10日(木) 午後11時21分

いやだから、老化すると堅くてぼそぼそした、さめたお餅やご飯のような感じになります。

多分元々は学研漫画とかで読んだんだと思った。***のひみつとか。

8: わけん 2008年01月12日(土) 午後11時14分

その場合、温めるとまた柔らかくなるという認識で良いんですか?

それにしても学研恐るべし…

9: Ackey 2008年01月14日(月) 深夜1時42分

暖めると元に戻ります。
ご飯であれば最初に炊くよりは楽に元に戻りますねぇ。完全にβ転移していないんでしょう。どの程度転移するかは降温条件と、水分量で変わってくると思いますが。
このあたりは相転移する材料なら大体どれも似たような感じですねぇ。非可逆的というか。

10: Ackey 2008年01月14日(月) 深夜1時42分

暖めると元に戻ります。適切な水分があればですが。
ご飯であれば最初に炊くよりは楽に元に戻りますねぇ。完全にβ転移していないんでしょう。どの程度転移するかは降温条件と、水分量で変わってくると思いますが。
このあたりは相転移する材料なら大体どれも似たような感じですねぇ。非可逆的というか。

11: わけん 2008年01月15日(火) 深夜1時10分

ほうほう。
単にβなやつより、老化しているやつの方が手間いらずなんすね。まあ、うまくはないのかもしれませんが。

ありがとうございます。


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