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したっぱプログラマーの日記(The diary of a minor programmer)

2006/09/09(土) 『こころ』を読んだ。

雑談

もう夏は過ぎたけど、夏は文学の季節ということで、8月に夏目漱石の『こころ』を読んだ。
〜文庫の100冊には必ずといっていいほど入っている古典中の古典。

友人に読んでいるということを伝えたら、
「おー、今、流行のですね。」
っと言われた。
何でも、毎年毎年『こころ』は売れていて、その消費の60から70%は夏の時期に行われるそうな。
そーいえば、マイミクの方も読んでた。

正直、僕は、文学ってのは、あまり好きではないのだけど、セクシープログラマーの素養として、文学も語れなくてはならんと思い読みました。
読み始めると、登場人物の"先生"に非常に好感を持った。
透明な孤独感。しっとりとした人柄。
銘菓で例えるなら、かもめの卵より、萩の月よりしっとりしている。

文学というと、わかりにくい印象を受けるが、『こころ』は割と平易な文章で読みやすいなぁっと思った。
だからこそ、名作なんだろう。

印象に残った先生の言ったセリフを一つ。
「(略)。私は未来の侮辱を受けないために、今の尊敬を斥けたいと思うのです。私は今より一層さびしい未来の私を我慢する代わりに、淋しい今の私を我慢したいのです。自由と独立と己とに充ちた現代に生まれた我々は、その犠牲としてみんなこの淋しみを味わわなくてはならないでしょう」
僕は、人に褒められたりすると、うれしいと同時に、恐怖を感じてしまいます。
「今後、自分の弱い面を見られた時に、すごく失望されてしまうんではないか?」という恐怖です。その感覚と近いのかなぁっと思いました。

ところで、先生は、どうして自殺しなくてはならなかったんだろうか?
先生が、Kを自殺に追いやった自分を許せないでいたのは確かだろう。
許せていれば、妻に自分の犯した過ちのことを話し、孤独から解放されていたかもしれないし、
自分には、世に出る資格がないと言って、引き篭ることもなかったのではないか?

自分は、できる限り不完全な自分を許せる人でありたいなぁっと思いました。

1: 貴子 2006年09月10日(日) 午前8時20分

私も流行に乗ってみました♪
みんな夏になると読みたくなるんですねぇ。

『かもめの卵より、萩の月よりしっとり』っていう表現面白いですねぇ、笑。
でも確かにしっとりだ。

2: わけん 2006年09月10日(日) 午後11時39分

貴子さんの感想も見させていただきましたよ。やっぱり名作ですよね。
『かもめの卵より、萩の月よりしっとり』っていう表現、なかなか伝わらないと思っていたけど、わかっていただけて、うれしいです。
"しっとり"って書いた後、かもめの卵と、萩の月以外にしっとりしているものが思いつかなかったんです。


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