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したっぱプログラマーの日記(The diary of a minor programmer)

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2006年8月の日記

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2006/08/16(水) 『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』を読んだ

読書

京都に、舞い戻ってきました。暑い…。

さて、僕は、文章を書くのが、あまり得意でない。
ここのブログを書くのにも、かなり時間がかかっている。
『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』を読んだのは、こんな僕でも、文章をすらすらと書けるようになれたらいいなぁっと思ったからだ。

この本は、1996年11月15日〜17日にかけての3日間、岩手県一関市で開かれた「作文教室」の内容をまとめたもの。

参考になったのは、

『一番大事なことは、自分にしか書けないことを、だれにでもわかる文章で書くということ。』

という部分。
特に、『自分にしか書けない』というところに刺激を受けた。自分がブログにて書いてきた文章を思い返してみると、中身が濃いなっと思えるような文章には、必ず、独自の発想、独自の観点、独自の体験がある。
短い文章であっても、独自の発想がある文章は内容が濃い。

ブログを始めて半年経つが、最初の目標である『続ける』ということに関しては、ほぼ達成したと思う。
ここでもう一歩進んで、これからは『独自の発想、独自の観点を持った内容の濃い文章を書く』という目標を掲げようと思う。

他に、特に印象に残ったのは、

『日本語の音素の特徴は、数が少ないだけでなく、唇を使うものが非常に少ないんです。』

というところ。
日本語で唇を使うのは、「p」と「w」ぐらいなもので、しかも「w」は本当に控えめに発音するので、実質、唇をつけるのは「p」ぐらい。
これに関して、井上氏は

『というわけで日本人は唇をあまり使わない。接吻のときにとっておくという説もありますが。』

っと述べている。
とっておき過ぎて、日本人はキスが下手になってるんじゃないかと思った。
それに比べて僕は、最近、毎日、英語の発音練習をしている。
日本人平均より格段にキスがうまくなってるはずだ!
(この部分が今回の独自の発想)

2006/08/15(火) 『決断力』を読んだ

読書

羽生善治『決断力』を読んだ。
会社の先輩がお勧めしていたので、読んでみた。
夏休みは、文学漬けの予定だったのだが、早くも飽きて、大好きな新書系に逃げ込み。

内容は、羽生さんが将棋をやってきて、学んだこと、考えていること等をまとめたもの。『決断力』と銘打っているが、内容は決断力に関するもののみにあらず、『集中力』についてとか、『才能』についてとか、多岐にわたる。

最近、新書を読むときは、心の琴線に触れたところにボールペンで線を引きながら読んでいるが、その中の一つに、

『リスクを背負って決断を下す人が育たないと、社会も企業も現状の打破にはつながらない。』

という言葉があった。
このようなことは、他の場所でもよく耳にする。
実際、『リスクを背負って決断を下す人』の下で働きたいと思うし、自分が偉くなったら、そういう人間でありたいと思う。
しかし、僕の人生経験上、あまりこういう人に出会ったことが無い。

『部下の手柄は自分の手柄。部下のミスは、部下の責任。』

っていうように『リターンは自分。リスクは部下。』っていう人が意外と多い気がする。
それでも、なんとかやっていけてたりするので、ある程度のカリスマというかオーラがあれば、『リスクを背負える度量』みたいなものがなくても、やっていけるのかなぁっと思った。

また、

『報われないかもしれないところで、同じ情熱、気力、モチベーションをもって継続してやるのは非常に大変なことであり、私は、それこそが才能だと思っている。』

っという一言が、印象に残った。
毎日英語勉強したのに、TOIECの結果、20点下がってたけど、あきらめん!
っと心をあらたにしました。

しかし、この本、先輩も感想で述べていたのですが、無理やり将棋とビジネスを結び付けようとしていて、気持ち悪い部分が多い。

例えば、
・事前の研究が万全な人は、私にとって手ごわい人だ
という章において、羽生さんは将棋の対局における事前準備の重要性を語っているのですが、そこから、
『ビジネスの世界も市場環境は常に変化している。たとえば、M&Aでも…』
と述べ、M&Aでも、事前の研究って重要だよね。っていう結論に導いている。

そんなに強引にM&Aと結び付けなくても…って思う。
そういう、応用は読者一人一人に任せていいのではないかなと。
たいてい、章の終わりに、このような『ビジネスに適用するとこうなります。』っていうのがあって、ちょっと、くどいように感じました。

1: ゆっきー 『わけんって「決断力」ありそうだよね。イメージだといらないものとか、ばしばし切ってそう(良い意味だよ)』 (2006/08/16 20:35)

2: わけん 『ありがとう。そう言ってもらえると、嬉しいよ。しかし、レストランで注文するときは、優柔不断で、なかなか決められなかったりします…。』 (2006/08/16 22:54)

2006/08/14(月) 『失踪日記』を読んだ

雑談

実家に帰る途中に、デスノート1巻を購入し、父へのお土産とした。
父にプレゼントしたら、お礼にユンケル皇帝液をもらった。
漫画のお礼が栄養ドリンクとは…。

ところで、うちの父は割と漫画好きだ。
けど、読む漫画は偏っている。
医学系か、碁系か、メディア芸術祭受賞系かだ。

んで、今回、帰省したときに、ポンと渡されたのが、今年、メディア芸術祭で大賞を受賞した『失踪日記』だ。
恥ずかしながら、作品のことも作者のことも、ぜんぜん知らんかった。

内容を、ざっくり言うと、漫画描けない病になった作者が、家出して、ホームレス生活をしたり、ガス管の修理工をしたり、アル中になって入院したりした実話をコメディタッチで描いたものです。

イラストもデフォルメされており、終始、笑えるように工夫されて描かれているのですが、どうにも描かれたイラストをリアルにしたときのことを想像してしまって、ほとんど笑えず、どうにも悲惨さを感じてしまいました。

それで、漫画では全然笑えんかったのですが、最後の、
とり・みきさんとの対談の中での作者の一言、

『寒さとかね、ほんとに死ぬかと思った(笑)。一週間眠れないんだから。……失踪から帰ってきてから、これネタにしようかなぁと思って、「寒くて死にそうだった」とかノートに書き出してたんだ。で翌朝見たら、そこに奥さんが「…こっちはもっと悲惨でした」って書き足してあった。』

ってところで思わず笑ってしまった。

世の中、いろんな人がいるなぁっと視野が広がりました。

1: ちー 『コレ読んだー!!(ってゆーより、本屋さんでちょっと立ち読み)確かに結構悲惨で、私、最後までマトモに読めなかったよ…。何かイラスト...』 (2006/08/14 27:02)

2: わけん 『>確かに結構悲惨で、私、最後までマトモに読めなかったよ…。うんうん、悲惨だよね。っていうか、立ち読みで、最後までマトモに読んだら...』 (2006/08/16 13:25)

2006/08/13(日) 『変身』を読んだ

読書

帰省して、実家のPCから書き込み中。
田舎は、ゆっくり時間が過ぎてゆきます。

さて、今日は、カフカの『変身』を読んだ。
名前だけは、聞いたことがあったやつだ。
夏休みって言うことで、ちょっと文学っぽいものを読みたいっと思って読んだのだけど、わけがわからなかった。

何でいきなり変身しちゃったのか?
何で家族は、変身しちゃったことを不思議に思わないのか?
何で家族は、虫を見て、かつて家族だったものと思ったのか?

何故?っていう疑問ばかりが出てくる。
巻末に載っていた解説によると、『変身』の解釈は文学者たちの間でも、いろいろと見解が割れているようだ。

っということで、まぁ、僕がわけわからんって思ったのも仕方がないことなんだ、きっと。
って思うことにした。
次は、もうちょっと、わかりやすいものを読もうと思う。

1: ゆっきー 『おかえりー。帰ってたんだね。みんな帰ってきてるのかな?』 (2006/08/14 21:52)

2: わけん 『こっそり、帰ってました。みんな、どうしてんだろーねー。』 (2006/08/14 25:10)

2006/08/12(土) 『号泣する準備はできていた』を読んだ

読書

実家帰り途中。仙台のマンガ喫茶にて書き込み中。

新幹線の中で、『号泣する準備はできていた』を読んだ。
会社の同期と、先日、社内食堂で話していたら、江国香織の評判はいまいちだった。

きれい過ぎる。
この小説の登場人物はスーパーの特売品とか買わなそう。
人間臭さがない。
おもしろさがよくわからない。

といった意見があった。
個人的には、依然読んだ『神様のボート』は、面白いなぁっと思って読んだ記憶がある。
しかし、肝心のなんで面白く感じたのかという部分を忘れてしまった。
小説自体は、なんか、けだるくて、はたからみたら不幸なんだけど、いい具合に力が抜けてて、ふわ〜っとした感じだったような気がする。
人間臭さを感じなかったのが、スタイリッシュでかっこよく思えたのかも。

さて、『号泣する準備はできていた』ですが、個人的には、まあまあかなぁ。
短編集なんだけど、出てくる人の女性のほとんどが、ちょっとヒステリック気味な感じで、棘のある言葉を発してたのが、痛くてちょっと。それが、また面白かったりもしたけど。
それでも、やっぱり、人間臭さを感じる部分は少なくて、スタイリッシュで、かっこよいなぁっと思ったりもした。

読んでいて、恋愛についても、いろいろ考えちゃったけど、それについては、また今度。

1: kamino 『「いる」と「いた」では印象が大きく違うよ。プラネットただいま。』 (2006/08/16 24:59)

2: わけん 『ぎゃふん。ナイス突っ込み。修正しておきました。おかえりなさい。』 (2006/08/17 7:01)